中国のポータルサイト・網易に18日、中国のシンクタンクが「日本経済青書」を発表し、「ポストコロナ」時代における日中貿易関係に明るい見通しを示したとする記事が掲載された。

 記事は、中国の全国日本経済学会、中国社会科学院日本研究所などが17日に北京で「日本経済青書:日本経済と日中経済貿易関係の研究報告(2021)」を発表したと紹介。青書ではポストコロナ時代における日本経済と日中両国の経済、貿易関係の予測分析にウエイトが置かれ、日中間の経済、貿易協力には今後チャンスと試練が併存するものの、新型コロナの感染拡大が収束するのに伴いポジティブな要素が強くなり、見通しは明るいとの見解を示したと伝えた。
 
 そして、新型コロナの感染拡大で日本経済は全面的に縮小した一方で、日中間の貿易は逆に増加を実現したことに触れ、日中間の強靭な経済関係を示すとともに、日本経済の中国への依存度がさらに高まっていることの表れだと分析したことを紹介した。
 
 青書は一方で、2020年の日中貿易は厳しい状況のなかで増加したものの、その総額は11年のピーク時に比べるとまだまだ一定の隔たりがあり、日本による対中投資額も12年のピーク時の半分に留まっていると指摘。中国からの対日投資もまだ「初期段階」にあると言え、両国間の経済、貿易関係にはさらなる発展の余地があるとの見方を示した上で、日中両国がサプライチェーン整備、技術イノベーション、環境保護や省エネ、医療、健康、デジタル経済、第三者市場での協力といった部分で協力を深める必要があると論じている。
 
 また、来年が日中国交正常化50周年にあたるとし、これを契機に良いムードを作り上げ、2年以内のRCEP(地域的な包括的経済連携)協定発効、中国のCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)早期加入を実現し、両国の経済発展、世界の経済回復に貢献すべきだと提言した。(編集担当:今関忠馬)