中国のポータルサイト・網易に18日、当初は仕方なく中国に赴任した日本人駐在員が、帰国後に中国での日々を恋しがっていることを紹介する記事が掲載された。
 
 記事は、広東省広州市の現地拠点に転勤となり、妻とともに現地で10年間生活したという男性の話を紹介。赴任が決まった当初は中国に対する良いイメージがなかったことおあり「会社の指示でしぶしぶ赴任した」ものの、実際に中国で生活を始めるとその認識が大きく変化していったとした。
 
 まず、中国人の客人をもてなす姿勢に感銘を覚えたとし、日本の本社からやってきたということで現地拠点の同僚だけではなく、取引先の人たちも次々に食事に招待してくれ「気にせず好きなだけ食べてくれ」と言われたと紹介。訪中前のイメージとは異なり、現地の人びとからは日本人に対する敵意は感じられず、熱烈に歓迎してくれたと伝えた。
 
 次に、会社において地位や年齢の上下に関係なく忌憚のない意思疎通を図ることができる点に触れた。日本では階級意識が高く、日本で仕事をしていた際にはしばしば上司から高圧的に叱られる一方で、自身も部下や新人に対して「上司ぶって」説教を行っていたのに対し、中国では上司がおおらかかつ気さくであり、自由闊達にコミュニケーションを取ることができるとした。
 
 また、意思決定の速さも日本にはない大きな魅力だと指摘。問題発生時には何度か電話のやり取りを経るだけで上層部からの結論が出されるため、すぐに行動を起こすことができ作業効率が非常に高いとしたほか、意思疎通の際にはストレートに伝達を行うため、日本のように曖昧さ、回りくどさがないと伝え、スピーディーな意思決定と仕事の効率の高さは、冗長な会議や時間のかかる稟議を通さないと意思決定ができない日本では想像もできないと評している。
 
 記事は、この男性が新型コロナウイルス感染拡大前に日本の本社に呼び戻されたと紹介。昇進による「栄転」だったものの、慣れ親しんだ上に仕事も生活も快適だった中国を離れ、さまざまな「決まり」に縛られる日本に戻ることについて本人が「しぶしぶ受け入れた」と語ったと伝えた。(編集担当:今関忠馬)