マンハッタンから地下鉄で一駅のクイーンズ一画には、かつて『5 Pointz』と呼ばれる落書きの聖地が有りました。

元々は工場だったのですが、アーティスト達が自由に活動できる場所として貸し出されたことにより、世界中からアーティストが集まり、この地で創作活動を行ったことで有名になった場所で、ビルの壁一面から屋内まで、隅から隅まで落書きアートで埋め尽くされている光景が地下鉄の窓からも見えて印象的だったのを覚えています。

こういったスペースを設けることで、他の場所への落書きを抑制し、アーティストたちの発信の地とすることが目的だったようですが、建物の問題等もあって封鎖され、現在は取り壊されてコンドミニアムとして再開発されています。

取り壊しの際に落書きが塗りつぶされたことで、アーティスト達は権利を侵害されたとしてビル所有者に対して訴訟を起こし、連保地裁が所有者に対し約7億円の賠償金支払いを命じたことがニュースにもなりましたが、同地には観光客もたくさん訪れていたとのことで、芸術性が高く評価されていたことを物語っているニューヨークらしいスポットでした。