カンボジアの基本情報

カンボジアは、タイとベトナムに挟まれラオスに隣接する、ASEAN10か国の中央に位置する国です。

位置:カンボジアはASEANの中央に位置します

カンボジアは、タイとベトナムに挟まれラオスに隣接する、ASEAN10か国の中央に位置する国です。日本の約半分(181,035 km2)程の面積で、日本との時差は2時間です。地震もなく自然災害のリスクが非常に少ない国です。

 

カンボジアはメコン川を擁し、外洋にも面するといった好立地がASEAN地域の要衝として注目を浴び、経済交流が活性化しています。更にカンボジアの首都プノンペンは、タイの首都バンコクとベトナムの最大都市ホーチミンの中央に位置し、これらの都市は陸路で繋がっています。現在ミャンマーまで延長されておりこの産業道路は「南部回廊」と呼ばれています。

カンボジアはASEANの中央に位置しています

 

文化:カンボジアは英語が通じやすい国

カンボジアの公用語・母国語は「クメール語(Khmer)」です。文字は「クメール文字」を使い、文法は英語と同じです。カンボジア語とも呼ばれますが、正式にはクメール語で、カンボジア人もクメール人が正しい呼び方です。カンボジアの人々はほとんどが仏教で、フレンドリーで礼儀正しく家族想いです。

 

現地の方同士はクメール語で会話をしますが、僻地でなければ大抵どこへ行っても英語が通じます。空港やホテル、銀行、観光地やタクシー、トゥクトゥク、レストランなども英語でコミュニケーションがとれ、GDPがカンボジアよりも高い隣国のベトナムやタイと比べても英語が通じやすい印象です。看板やメニューなどもクメール語に併せて英語でも表記されており便利です。

 

 

人口:カンボジアの平均年齢は30歳以下

カンボジアの人口は1,672万人(2020)で、日本の約1/8、隣国タイの約1/4です。平均年齢は約26歳と極めて若く、国民の半数以上が30歳以下です。子供達と働き盛りの方々で約90%を占めるカンボジアの人口爆発は始まったばかりで、少なくとも2045年まで続くといわれています。

 

きれいな三角形をした人口ピラミッドからもわかるように、今後の人口ボーナスの恩恵とそれにともなう購買層の増加が期待され〝経済発展の伸びしろ〟のポテンシャルに満ちています。

カンボジアの人口比率

 

経済:カンボジアは高度経済成長の持続

カンボジアはGDP成長率が毎年7%台と高値で推移し、労働力・購買力・消費のそれぞれが堅調に増加しています。これはアジアでも屈指の高成長ぶりです。外国投資家から見ても、米ドルが流通するカンボジアは為替リスクの少ない投資先となり、それが経済成長促進要因になっていると言えます。

 

チャイナプラスワンのタイ、ベトナムに挟まれるカンボジアには、2010年頃から、低廉な人件費に着目した外資企業が中国やタイから生産拠点の一部をシフトさせる、いわゆる「チャイナ・プラス・ワン」もしくは「タイ・プラス・ワン」という動きが目立つようになり、日本企業の進出も増加しました。急速な経済成長と安定した政治情勢を反映して多くの外国企業がカンボジア市場に進出してきています。

カンボジアのGDP成長率グラフ

 

通貨:カンボジアは米ドルが流通

カンボジアの通貨リエル

カンボジアでは自国通貨リエル(KHR)と米ドル(USD)が両立しています。約4000リエル=1米ドルと計算されます。リエルは1953年に導入されましたが、1993年に米国主導の国際連合の支援のもと、初の民主的な選挙実施の背景により米ドルも使われるようになりました。今では流通額の約85%が米ドル、預金口座の米ドル率も90%以上となっています。トゥクトゥクの乗車時や屋台で買い物をする時など少額の場合であっても米ドルを使用することができ、キャッシュレス化も進んでいます。

 

カンボジアは外国人の方も米ドル建ての銀行口座を開設でき、外貨規制もほとんどありませんので、多額の現金は持ち歩かず銀行アプリでQR決済が便利です。

 

普段の生活では、米ドルの補助通貨(コインの代わり)としてリエルが使われる場面が非常に多くあります。10USD以下のお釣りはリエル紙幣で受け取ることになりますので是非リエル紙幣にも慣れておきましょう。

 

自国通貨のリエル(KHR)は公式に発行されている紙幣は20種類以上存在しますが、実際に流通している紙幣は下の18種類のみです。500リエルには日本の国旗が印刷されています。

 
 

50, 100(2種), 200, 500(2種), 1000(3種), 2000(2種), 5000(2種),
1万(2種), 2万, 5万, 10万 KHR

 

カンボジアの通信事情

カンボジアではオンラインビジネス、アプリサービス、キャッシュレス支払などが至る所で行われています。ローカル向けレストランから国会議事堂建物内までフリーWi-Fiが利用でき、プノンペンをはじめ地方都市部においても環境が整っています。カンボジアは1993年に世界で初めて携帯電話加入者が固定電話加入者を上回った国となっています。(国際電気通信連合統計)地方部で電気が引かれていなくても、携帯電話に関しては仕事や家族との連絡で使うため、地方部でも8割以上の方が持っています。普及率は、携帯電話が 118%(2018 年)、固定電話が 0.84%(2017 年)、インターネットが 75%(2018 年)となっています。

カンボジアの通信事業者

携帯電話は日本では月額料金後払いが一般的ですが、カンボジアではプリペイド式の先払いが主流です。数ドルでSIMカードを購入すれば、1GBのデータ通信が3ドル程で必要な分をチャージできます。使い切った時点で通信が出来なくなるわかり易いシステムなので、現地にお越しの際は購入されることをオススメしています。

 

パソコンやスマートフォンの充電も問題ありません。カンボジアのコンセントの形状は、AタイプとCタイプが一般的で、ほとんどが両方が差し込める兼用タイプです。日本の電源プラグはAタイプなので変換機なしでそのまま差し込むことができます。電圧については、カンボジアは220Vで日本の100Vよりも高いため、日本の電気製品を使用する場合は変圧器が必要です。パソコンやスマートフォンの充電器のように「INPUT:100~240V」と表記のある電化製品はカンボジアでも変圧器なしで使用できます。

 

カンボジアの医療と交通事情

駐在日本人数との比率で考えると、カンボジアは他の国と比較して日本人医師が多いのが特徴です。カンボジア(プノンペン)では、日本人医師や日本人看護師が常駐している医療機関が複数あり海外旅行保険も適用されます。複数の日本人専門医、入院サービス、日本製の医薬品、日系の眼科や歯科もあり、予防接種や緊急時対応を行っている病院もあります。受付から診療まで日本語で対応できるので、日本人医師のいる病院が少ないという不安要素はカンボジアでは比較的低いと考えられます。

 

カンボジアではタクシーよりも、トゥクトゥク、PassAppやGrabといった配車アプリを使用するのが主流です。現地ではバイクも多く走ります。レンタルバイク屋さんもあり、カンボジアでは外国人でも125CC以下のバイクであれば免許は不要です。車や大型バイクは「国際運転免許証」で運転することが可能ですし、長期滞在時はカンボジアで免許の書き換えをすることも可能です。カンボジアでは車の免許でバイクを運転することはできませんので必要に応じて2種類の免許を取得する点は注意が必要です。

 

カンボジアの居住費

カンボジアにはバックパッカーに人気のゲストハウスから5つ星高級ホテルまで様々なホテルがあります。ゲストハウスは1泊5〜15ドル程で日系企業が経営するものもあります。中級ホテルは20〜70ドル程で、和朝食を提供するビジネスホテルもあり様々です。経済発展を続けるカンボジアにはもちろん高級5つ星ホテルもあり、1泊100〜300ドルほどとなっています。

 

中長期滞在する場合には、コンドミニアムやアパートメントを賃貸する選択肢もあります。カンボジアの家賃は一等地は高いですが、郊外に行くとかなり安くなります。1ベットルームであれば郊外でエアコンやシャワーつきの物件の場合、家賃は最も安くて月200ドルほど。一方、立地が良く家具家電がある程度揃っているコンドミニアムや、ジム・プールつきのサービスアパートメントであれば月500ドル〜1000ドル程度が相場です。2ベットルームで月2000ドル程度、3ベットルームになると月3000ドル程度となります。

 

カンボジアの電気料金は1キロワット当たり1500リエル(約40円)ほどです。日本の電気料金は1キロワットあたり30円前後が相場なので、電気代は日本より高いです。経済成長とともに電力自給率は上昇していますが、未だ近隣諸国から電気を輸入していることが理由です。

 

カンボジアのガス料金は初期費用で約60ドルかかりますが、それ以降は詰替え用のみで、15Kg当たり15~20ドルほどです。一度詰め替えると3か月程持つので、日本よりも安い印象です。

 

カンボジアの水道料金は1㎥当たり1500~2000リエル(約40~54円)ほどです。日本の水道料金は1㎥当たり平均160円ほどなので、日本と比較するとカンボジアの水道料金はとても安いです。1人暮らしの1か月の平均水使用量が8㎥とすると、月の水道料金は約1万4000リエル(約375円)です。賃貸では水道代は家賃に含まれる物件も多くあります。

 

飲み水についてはカンボジアの家庭ではウォーターサーバーを設置するのが一般的になってきました。サーバーを100ドルほどで購入し5リットルのボトルをセットします。ボトルは1本1ドル程度で購入できます。しかしカンボジアの首都プノンペンに限っては日本のJICAの支援で水道整備事業が成功し、水道の蛇口から汲んだ水をそのまま飲むことができる程の水質です。事業が始まったのは90年代ですが、いまだに水道の質は高いまま保たれています。日本の方にとっては当たり前ですが、東南アジアを訪れたことがある方ならこれがいかに画期的なことかお分かりいただけるでしょう。

 

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