旧暦5月5日が中国の伝統祝日——端午の節句です。毎年、各地で人々は、ドラゴンボートレースをしたり、ちまきを食べたり、雄黄を入れたお酒を飲むといった風習があり、これらは愛国詩人・屈原を記念するためのものです。「端」の字には「初め」の意味があることから、「端五」は「初五」であり、5月は「牛」の月であることから、「端五」が「端午」に次第に変わっていきました。端午節と旧正月、清明節、中秋節は中国の四つの伝統的な祝日と呼ばれている。端午節の由来、皆さんご存知ですか?

 屈原は楚の国の大臣で、とても国を愛していました。しかし、奸臣の陰謀によって、皇帝に重用される道を閉ざされました。彼は、自分の祖国が他の国に侵略されるのを見て、胸をえぐられる思いでした。他の国の皇帝は大金をはたいてでも彼を仲間に引き入れたいと考えましたが、彼は一貫して自分の祖国を捨てることは忍び難く、旧暦の5月5日、石を抱いて汨羅江に身を投げました。

 屈原の死後、楚の国の人々は非常に悼み悲しみ、漁師たちは舟を行ったり来たりさせて、彼の遺体を引き上げようとしました。人々は、おにぎり、卵 などの食べ物を川に投げ入れ、魚やエビの腹を満たして、彼の遺体にかみつかないようにしました。一人の年老いた医者は、一つぼの雄黄を入れた酒を持ってきて、川に注ぎ入れました。その医者が言うには、屈原の遺体を損なわないようにするため、その酒で“みずち”などの水に住むけものを酔わせるとのことです。その後、人々はセンダンの葉を使っておにぎりを包み、色鮮やかな絹糸で巻いて、それが今日のちまきになっていきました。

 ①ちまきを食べたり、雄黄を入れたお酒を飲む

 ちまきはもち米やあんを竹の葉で包んだ後、なべで蒸し上げます。有名なものとして、赤ナツメちまき、肉ちまき、蜜漬けちまき、塩卵ちまきなどがあります。雄黄酒は、粉々にすりつぶした雄黄を蒸留酒か醸造酒に漬けたもので、昔の人々はこれを飲むと解毒作用があると信じていました。

 ②ドラゴンボートレース

 人々がにぎやかに太鼓を打ち鳴らす中で、竜の形に彫った丸木舟をこいで、川で競争をします。