アメリカの海外不動産投資
アメリカは、北アメリカ大陸48州とアラスカ州、ハワイ州の50州で構成される合衆国で、ハリウッド、ニューヨークブロードウェイ、ラスベガスといったエンターテイメント、Google, Apple, Facebook, AmazonといったIT関連、国際連合といった国際組織、またハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学といった教育に至るまで、世界を牽引する国の一つとして知られています。 この世界を牽引する国に刺激を求めて渡米する人も多く、世界中から人が集まり、様々な人種が暮らす多民族国家となっています。
このように、アメリカの魅力は様々ありますが、海外不動産投資において、「不動産取引のプロセスが確立した公平な取引」・「人口が増加」・「不動産価格の安定的な上昇」という点から世界中の海外不動産投資家から注目されています。
ニューヨーク 投資注目エリア
マンハッタンエリア
ヒスパニック系の移民が多いエリア West 155th Stからダイクマン通りまでの間で、ハーレムの北に位置し、ヒスパニック系の移民が多く住むエリアです。 コロンビア大学のメディカル・センターや医学校があり、ミッドタウンまで交通機関で20分程度の距離にある為、ヒスパニック系以外の人も増えてきています。 ただしレストランやバーから大音量で流れるヒップホップ系の音楽への苦情が多いエリアでもあります。
アフリカ系アメリカ人が多く住み、
アポロシアター周辺で再開発が進んでいるエリア
南端はセントラル・パークの北の110th St、北端はハーレム川、西端はモーニングサイド・パーク、セント・ニコラス・アベニューおよびエッジコーム・アベニュー 、東端は5thアベニュー。
アフリカ系アメリカ人が多く住むエリアです。近年125th Stにあるアポロシアター周辺で、ホールフーズやコストコといった大型スーパーや住宅の開発が少しずつ進み、家賃が上昇してきています。
治安もよく閑静な住宅街
コロンビア大学に通う学生が多く住むエリア
東端がモーニングサイド・ドライブ、西端がリバーサイド・ドライブ、北端が125th St、南端が110th St。
閑静な住宅街で、治安も良いエリアです。コロンビア大学があり、周辺には同大学のモーニングサイドハイツキャンパスのほか、バーナードカレッジがあるため、学生が多く住んでいます。
ニューヨーク最大級の
ラティーノ・コミュニティーがあるエリア
南北は東96th Stから東125th Stまで、東西はメトロノース鉄道の高架橋からイースト川(イースト・リバー)までのエリアです。
イースト・ハーレム地区に属する地域の名称で、ニューヨーク最大級のラティーノ(ヒスパニックを含む中南米系の住民)・コミュニティーの一つ。南に隣接するのは、マンハッタンでも屈指の高級住宅地であるアッパー・イースト・サイド。
近年は新しい建物の開発が少しずつ進み、家賃が上昇してきているエリアです。
リッチに暮らすビジネスマンや学生、
ファミリー層に人気のエリア
50th Stから110th Stの間でセントラルパークの西側。
アッパーイーストサイドのワスプ(WASP=White Anglo-Saxon Protestantの頭文字をとった略語で、アメリカのエリートを表す)中心のコープを嫌った裕福なユダヤ系の人々が住み始め、現在は芸術家、音楽家、ヤングエグゼクティブなどが暮らし、アッパーイーストサイドより自由な雰囲気があります。
90年代に入ってからのコンドミニアム建設ラッシュの影響で、リンカーンセンター周辺のリンカーンスクエアエリアにはモダンな高層アパートが増えましたが、72nd St以北はダコタハウスをはじめとした戦前の建物が多くあります。
また、Columbus Ave、Amsterdam Ave、Broadway沿いには流行りのレストランやカフェが並びヨーロッパ調の雰囲気があります。
住環境が良く、ファミリー層に人気のエリア 59th Stから110th Stの間、セントラルパークの東側。古くからの超高級住宅街で、五番街、Park Ave、Madison Ave には、ステータスのあるアメリカ人でも入居審査が非常に厳しいコープが連なります。 美術館や伝統あるプライベートスクールが多く、パブリックスクールのレベルも高いです。 駐在員家族の多く住むエリアは、レノックスヒル、カーネギーヒル、ヨークビルと呼ばれる比較的新しい高層コンドミニアムや賃貸ビルが建つエリアで、閑静な住宅街となっています。
タイムズスクエア徒歩圏内
単身、カップルの方に人気のエリア
34th Stから59th Stの間、5th Aveから西側。
ヘルズキッチンと呼ばれ、かつては治安があまりよくありませんでしたが、新築高層アパートの完成などにより、安全性も高まり注目エリアに変貌しました。
改名運動があってからは一部の人からクリントンと呼ばれており、最西端地区においてはハドソンリバー周辺に住むことが一種のステータスである、という新聞の記事まで登場したほど。
タイムズスクエア近辺のシアター、美術館、映画館などアフターファイブを楽しめる施設がすぐ近くにあり、いまや駐在員に人気のエリアです。ただし、学校区が未だあまりよくないことから、子供のいない若いカップル向けといえます。
マンハッタンから一駅、
住宅地となっているイーストリバーの島
マンハッタン東部、イーストリバーに位置する閑静な住宅街。マンハッタンから地下鉄もしくはトラムで一駅と便利な立地の為、マンハッタン勤務のファミリー層が多く住んでいます。
マンハッタンの同程度の賃料の物件に比べ、広い間取りの部屋が多い為、コスト面でリーズナブルな地域の内の一つです。
流行や最新アートの発信地として人気
近年は高層住宅も増え、居住エリアとしての人気も上昇
北は30th St~南は14th Stの間、5th Aveより西側。
ミッドタウンの喧騒とは雰囲気が少し異なり、アートギャラリーやショップ等が多くあります。
以前から高級住宅地の一つとして挙げられることが多く、近年は高層物件も増えており、シングルや若いカップル等からも人気の高いエリアです。
グランドセントラル駅徒歩圏内
ビジネスマンの方に人気のエリア
42nd Stから59th Stの間、5th Aveから東側。国連本部が近くにあるためか、犯罪の発生率が極めて低いエリアです。
ミッドタウンに勤務する人は徒歩で通えるうえに日本食材店もある為、駐在員家族にとって便利で住みやすいことも特徴です。
また、40th Stから50th St付近はレストランや居酒屋もあり、単身赴任者にも根強い人気があります。
ただし、不動産的観点から見てみると、築浅の賃貸ビルが少なく、築年数の古いコンドミニアムが多いエリアともいえるので、最近の傾向として人気の高いデザイナーズマンションタイプを求める人にはあまりおすすめできないエリアでもあります。
アーティストや地元の学生に人気が高いが、
物件が少ないエリア
北は14th St、南はハウストン通り、東はブロードウェイ、西はハドソン川に囲まれた地域。セントラル・パークと並んで有名な公園であるワシントン・スクエア公園、大規模私立大学のニューヨーク大学(NYU)、ジャズで有名なヴィレッジ・ヴァンガードなどがあります。
アーティストや学生に人気が高いですが、賃貸物件数が少ないエリアでもあります。
ミッドタウン・イーストに隣接する住宅街
ミッドタウン勤務のファミリー層に人気のエリア
国連本部の南側、30th Stと42nd Stの間に広がる住宅地。
80年代に高層コンドミニアムの建設ラッシュがありましたが、最近もまた改装、改築物件が増えてきています。
ミドルクラス以上の住人が多く、公立学校の評判も非常によいことから、駐在員家族にも近年非常に人気があります。
NYUの病院がある為、病院関係者も多く住んでいます。
高級ブティック、レストランが集中しており、
若い世代の高所得者に人気のエリア
ソーホーエリアの範囲はいくつかの定義がありますが、名前の由来はハウストン通りの南(South of Houston Street)の頭文字を取ったもの。
かつては芸術家やデザイナーなどのアーティストが多く住む町として知られていましたが、近年はアーティストは殆ど住んでおらず、若い世代の高所得者が居住しています。
ハイセンスな高級ブティックやレストランが集中し、多くの買い物客で賑わうエリアです。
閑静な住宅街で治安の良さに定評があり、
歴史的な建物の多いエリア
4th Stから23th Stの間、5th Aveから東側。
古くからある閑静な住宅街で、19世紀から20世紀に建てられた物件が建ち並び、モダンなレストランが混在しています。
中心に位置するグラマシー・パークは、公園の周囲がフェンスで囲まれ、年間使用料を払って入り口の鍵を貸与された周辺住民しか利用できません。
また、海外からの駐在員や学生などに対する審査が厳しい物件が多いことも特徴です。
セレブやアーティストが多く住む高級住宅地 マンハッタン南西部にあたり、元々は近隣地区の高級化により、家賃の安さを求めて芸術家等が移り住んできた地域ですが、今では高級住宅エリアとなっています。 この地域はファッションやアート性が高く、高級レストランが多くあります。 同時に家賃の高い高級物件が多いですが、公立小学校のレベルも高い為、ファミリー層からも人気の高いエリアとなっています。 デザイナーズマンションも多い地域です。
日本人街もあり、ニューヨーク大学等の
学校に通う学生から人気の高いエリア
ダウンタウン、14th St以南近辺。ユニオンスクエアには公園や大手チェーン店等が連なっています。
日本食スーパーや日本人オーナーのヘアサロン、和食レストランが集中しており、日本人街の様相を呈しています。
他の地域と比べてドアマンタイプのアパートは少ないですが、ニューヨーク大学がある為、比較的学生や若年層が多く在住するエリアです。
ダウンタウン、ハドソンリバー沿いの閑静な住宅街 マンハッタン南西部、ハドソンリバー沿いの閑静な住宅街。 アパートメントが多くあり、公立学校区のレベルも高いことから、ファミリー層が多く住んでいます。 大型オーガニックスーパー、公園もあり住環境も良好です。
ナイトクラブやブティック、レストランが多く、
アーティストや若い世代に人気が出てきているエリア
イーストサイド・マンハッタンの南側にあたり、東西にはバワリーからイースト川、南北にはキャナル・ストリートからハウストン・ストリートに囲まれたエリア。
かつては、低所得労働階級や移民が多く住むエリアでしたが、2000年代半ばから急速に高級化が進み、ナイトクラブやブティック、レストランが増えています。
格安物件が見つかる可能性がありますが、まだ一部の地域は治安面で注意が必要なエリアとなっています。
金融機関等の企業が多く集まるビジネス街 マンハッタン最南部のビジネス街。その名の通り、ウォールストリートの金融機関で勤務するビジネスマンが多く住んでいます。 高層アパートが多くありますが、スーパーマーケット等のお店が少ないこともあり、ミッドタウン等の他エリアと比べ平均家賃が若干低くなっています。
クイーンズ・ブルックリンエリア
クイーンズエリア
学生や若手ビジネスマンが在住する
クイーンズのおすすめ地域
治安が良く、マンハッタンまで地下鉄乗り換えなしでアクセス可能な為、学生やルームシェア等、日本人が多く住むエリアです。
クイーンズの中でもおすすめエリアの一つですが、近年家賃が上昇傾向にあります。
日本食スーパーやレストランもあり、生活しやすい住環境です。
クイーンズ東部、イーストリバー沿いの新興住宅地 マンハッタンの東、イーストリバーの近くに位置するクイーンズの住宅街。 高層アパートが立ち並ぶ新興住宅地となっています。 水辺の公園や活発なアートシーン、ひっきりなしに変化し更新されていくことで知られています。 マンハッタンに比べ再開発が進んでいる為、築浅の物件が手頃な価格帯で入居可能なエリアです。ロングアイランドシティからマンハッタン、ミッドタウンまで地下鉄一駅15分で通勤にも便利なロケーション。
一軒家が立ち並ぶ古くからの高級住宅地 マンハッタンからは少し離れますが、地下鉄急行利用で40分程で移動可能な為、マンハッタンに勤務する家族連れからも人気の高いエリアです。 公立学校区も良く、公園や緑の多いのどかな住環境。フォレストヒルズ駅前は大手チェーン店や映画館、ブティック等が軒を連ねています。
ブルックリンエリア
お洒落なカフェやショップが並ぶ人気エリア ブルックリン、ベッドフォード駅を中心に、カフェやブティックなどが軒を連ねる人気スポット。 若者やアーティストたちが移り住み、イーストリバー沿いにはマンハッタンやリバーを一望できる眺望のアパートメントも多数あります。 マンハッタン、ユニオンスクエアまで地下鉄乗り換えなしで10分ほどの為、利便性も良好な注目エリアです。
オフィス、アパート、公共機関等が集中する
ブルックリンの中心地
高層アパートが多く立ち並ぶブルックリンの中心的なエリア。
マンハッタンと比較すると同条件でも割安な物件が見つかりやすく、マンハッタンのダウンタウンへもアクセスしやすい為、マンハッタン勤務のビジネスマンからの需要も増えています。
ニューヨーク物件情報
マンハッタン
ニューヨークはアメリカ東海岸を代表する世界経済の中心地で、ファッション、観光、金融、グルメ、など全ての分野で世界の最先端を体感でき、常に多くの人々で活気が溢れています。
その中でも、山の手線の内側程の大きさのマンハッタン島は、通りごとに異なる特色を持ち、文化的にも不動産的にも世界中の人々を魅了してやまない大都市です。不動産に関しては、安心して取引ができる環境が整っており、2001年の同時多発テロ、2009年のリーマンショックなど、その時々の社会、経済情勢に影響を受けながらも、常に成長し続け、世界の投資家の期待を裏切らない底堅いマーケットになっています。
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海外不動産投資例 One United Nations Park
- エリア
- マンハッタン
- 住所
- 225 Cherry St, New York
- 総戸数
- 408ユニット
- 価格
- 1BED $1,410,000 (約19,700万円)~
2BED $2,225,000 (約31,100万円)~
※為替レート $1=140.00 円で算出 - 面積
- 1BED 779 SF (約72㎡)~
2BED 1,297 SF (約78㎡)~ - 総階数
- 43階
- 完成日
- 2019年
- 物件施設
- コンシェルジュ、クラブラウンジ、フィットネスジム,メディアルーム、駐車場、駐輪場、スイミングプール、ドアマン、キッズプレイルーム
- 最寄り駅
- 地下鉄4/5/6/7/S Grand Central駅
- 想定月額賃料
- 1BED $4,300 (約602,000円)~
2BED $6,500 (約910,000円)~ - 想定表面利回り
- 1BED 3.8%~
2BED 3.5%~ - 特徴
- 国際連合本部ビルの周辺で、運河沿いに完成予定の物件。マンハッタンの中でも、人気の高いエリアで、希少性の高い新築物件。
クイーンズ
クィーンズは、マンハッタンと比較すると落ち着いた住宅街が広がるエリアです。このエリアは、空港からのアクセス又は学校区の良さを理由に、他のエリアから移り住む人が多いのが特徴です。
以前は、マンハッタンよりは賃料が低く、低価格物件を求めて移り住む方が多かったエリアでしたが、近年ではロングアイランド周辺で再開発といったプロジェクトにより、エリアによっては、綺麗になってきていて、築浅の高層物件でマンハッタンを眺めながら暮らすという生活スタイルを好む人達の間で、人気のエリアとなってきています。こういった状況により、賃料も上昇傾向にあり、投資先としても注目されるエリアの一つとなっています。
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海外不動産投資例 Skyline Tower
- エリア
- クィーンズ(Long Island)
- 住所
- 3 Court Square, Long Island City
- 総戸数
- 802ユニット
- 価格
- Studio $691,600 (約9,700万円)~
1BED $906,163 (約13,000万円)~
2BED $1,212,532 (約17,000万円)~
※為替レート $1=140.00 円で算出 - 面積
- Studio 437 SF (約41㎡)~
1BED 672 SF (約62㎡)~
2BED 1,297 SF (約120㎡)~ - 総階数
- 67階
- 完成日
- 2019年
- 物件施設
- コンシェルジュ、クラブラウンジ、フィットネスジム, メディアルーム、駐車場、駐輪場、スイミングプール、ジャグジー、ドアマン、 キッズプレイルーム
- 最寄り駅
- 地下鉄Court Square-23 St Station
- 想定月額賃料
- Studio $2,800 (約392,000円)~
1BED $3,700 (約518,000円)~
2BED $5,000 (約700,000円)~ - 想定表面利回り
- Studio 4.8%~
1BED 4.8%~
2BED 4.8%~ - 特徴
- マンハッタンから地下鉄で一駅のロケーションで、Long Island で数少ない高層開発物件。マンハッタンを一望できるお部屋が人気。
ブルックリン
ブルックリンは、昔は工場・倉庫街だったエリアで、アーティストやクリエーターがマンハッタンから移り住み、工場や倉庫跡を改築したことによって、現在は、おしゃれなカフェや古着屋さんが集まる「流行の発信地」の一つになっています。
近年は、ファッションや芸術に興味がある若い世代に人気で、高層住宅の再開発プロジェクトも進んでいます。その中でも、DUMBO(ダンボ)と呼ばれ、マンハッタンブリッジの下に広がるウォーターフロントは、特に人気が高く、高級エリアとして、投資家に注目されるエリアの一つとなっています。
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海外不動産投資例 Front & York
- エリア
- ブルックリン
- 住所
- 85 Jay Street, Brooklyn, NY, 11201
- 総戸数
- 408ユニット
- 価格
- 1BED $1,025,000 (約14,300万円)~
2BED $1,900,000 (約26,600万円)~
※為替レート $1=140.00 円で算出 - 面積
- 1BED 631SF (約59㎡)~
2BED 1,232 SF (約114㎡)~ - 総階数
- 67階
- 完成日
- 2021年
- 物件施設
- コンシェルジュ、クラブラウンジ、フィットネスジム, メディアルーム、駐車場、駐輪場、スイミングプール、ジャグジー、ドアマン、 キッズプレイルーム
- 最寄り駅
- 地下鉄York St
- 想定賃貸家賃
- 1BED $3,000 (約420,000円)~
2BED $5,500 (約770,000円)~ - 想定表面利回り
- 1BED 3.5%~
2BED 3.5%~ - 特徴
- マンハッタンから地下鉄で一駅のロケーションで、マンハッタンブリッジとマンハッタンの街並みを眺めることができるエリアでの数少ない開発物件。
ニューヨーク マーケット情報
ニューヨーク エリア概略マップ
マンハッタン
マンハッタン 不動産売買市場
マンハッタンは、山手線の内側程度の小さな面積の中に高層住宅が立ち並び、通りごとに異なる特色を持っています。世界経済の中心の一つでもあるこのエリアの不動産は、世界中の投資家に常に注目されています。
左上のグラフは2014年~2023年の約10年間の不動産価格の推移を示しています。2014年~2016年まで価格上昇し、その後は若干の上下はあるものの、ほぼ同水準を保った状態となっています。
2020年3月には、新型コロナウイルス対策としてロックダウンが行われ、郊外に人が流出した影響を受け、売買取引件数は一時6~7割程度まで減少しました。その結果、市場における物件供給が過剰となり、価格交渉幅が拡大した影響を受けて、SF単価が下落しました。
しかし、その後は再び価格が上昇傾向にあります。価格が上昇している理由としては、ワクチン普及によるコロナ収束とその安心感の広まり、住宅ローン低金利などの影響により不動産売買取引が再び活性化していることなどが考えられます。
このように、「不動産価値が高い水準で安定している」というのが、マンハッタン不動産の魅力と考えられます。
新築物件のメリット・デメリット
新築物件のメリットとして、建物や設備が新しく魅力的な為、購入後の修繕費が抑えられることがあげられます。
また、市場における新築物件の供給が少ない為、資産価値が高く、物件によっては固定資産税の控除があることもメリットの一つです。一方でデメリットとしては、価格が高額な物件が多いことがあげられます。
例えばSF単価の中間価格で比較すると、新築物件は中古物件より2割ほど高く設定されています。
ただし、近年新築物件の平均SF単価は緩やかに下落しており、以前より「中古物件との価格差が縮小」しています。
マンハッタン 不動産賃貸市場
マンハッタンの位置するニューヨーク市は、アメリカで最も人口が多い都市で、その数は2020年時点で約850万人となっています。
ニューヨーク市の都市計画部によると、賃貸物件に住む市民は6~7割と過半数を超えています。その賃貸需要の高さに対して供給量が足りていない為、家賃は年々上昇しており、全米で最も家賃が高い都市となっています。
右上のグラフからも分かるように、2020年4月~7月のマンハッタンにおける新規賃貸契約数は例年に比べて激減し、家賃相場も急落しました。これは、新型コロナウイルス流行時に、在宅勤務やオンライン授業などの生活変化により、郊外に人が流出したことが影響していると考えられます。その後はコロナ終焉に伴い、賃貸契約数が約2倍近くまで増加しました。同時に家賃相場も急上昇し、コロナ以前の最高値を更新しました。急激に高騰した家賃は、賃貸需要が減り、空室率が約3%まで上昇したタイミングで一時的に下落。今は落ち着きを取り戻しており、今後はコロナ前と同様に安定的に推移していくことが予想されます。
こういった「市場の底堅さ」がマンハッタンの賃貸市場の特徴と考えられます。
アメリカでは、通年を通して賃貸需要が最も高くなるのは6月~8月となり、この時期が家賃が最も高くなります。
クイーンズ
クイーンズ 不動産売買市場
マンハッタンの東側、ブルックリンの北側に位置するクイーンズエリア。
ニューヨーク市で最も面積が大きく、人口はブルックリンに次いで2番目に多いエリアです。
「最も多くの移民が住んでいる地域」で多種多様な人達が暮らし、住宅地として人気があります。
左上のグラフは2014年~2023年の約10年間の不動産価格の推移を示しています。2014年から価格が急上昇し、コロナの影響を受けないまま2021年Q4まで上昇を続けました。
このように、コロナの影響を受けず、クイーンズの不動産価格が上昇を続けたのは、広めの一軒家やタウンハウス等の物件がマンハッタンに比べて比較的安く購入できる為、需要が高まったことが要因の一つと考えられます。
2022年以降は金利政策などの影響を受けて、価格上昇は落ち着き始めています。一方で、コンドミニアムの中間取引価格は、2018年より一定の水準を保っています。
クイーンズの中でも、少し広めで築浅の「マンハッタン島を眺めることができる高層物件」が、マンハッタンに近く地下鉄で通えるという利便性の良さも相まって、若い世代を中心に人気となっています。
クイーンズ 不動産賃貸市場
マンハッタンの東側、ブルックリンの北側に位置するクイーンズエリア。マンハッタンと比較すると大型のスーパーが多く、アジア系のお店も充実しており、家族連れなどに人気のエリアです。
もともとはマンハッタンやブルックリンに比べ、家賃が割安でしたが、右上のグラフのコロナ前の賃貸中間価格の動きをみると、上昇傾向が続いており「2018年5月以降値上がりした家賃が高止まり」しているような状況です。
また、クイーンズの中でも、高層物件が立ち並び、開発物件もでてきたロングアイランドシティエリアは、マンハッタンから地下鉄で一駅という利便性も相まって、「マンハッタンが一望できる高層物件」を中心に人気が高く、エリア全体の家賃相場を引き上げました。
2020年3月、コロナでロックダウンが起こった際には、ニューヨーク全体の家賃が下がった影響もあり、クイーンズの賃貸中間価格も急落しました。
しかし、その後はマンハッタンに少し遅れながらも急上昇し、コロナ以前の最高値を更新しました。急激に高騰した家賃は、マンハッタン同様、賃貸需要が減少するタイミングで一時的に下落し、現在はコロナ以前に近い価格帯で推移しています。
アメリカでは、通年を通して賃貸需要が最も高くなるのは6月~8月となり、この時期が家賃が最も高くなります。
ブルックリン
ブルックリン 不動産売買市場
マンハッタンから南に位置し、ブルックリン橋を渡ったところにあるブルックリンエリア。アーティスト、デザイナー等が移り住み、お洒落なカフェやアンティークショップ、ブランドショップが集まる街として人気があります。
全体的な中間取引価格は、2014年から急上昇し、 2017年からコロナ前までは緩やかな上昇でした。コロナ禍は金融緩和政策などの影響を受け、2022年Q1まで急上昇が続きました。その後は金利政策などの影響を受け、下落傾向にあります。
コンドミニアムにおいては、2016年から2017年にかけて急上昇していますが、これは「お洒落な街として若い世代を中心に人気」となり、開発が進んだことが要因と考えられます。その中でも、「DUMBO(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)」と呼ばれるブルックリン橋周辺のエリアは特に価値が上がり、現在ではマンハッタンと変わらない不動産価格になっています。
中間取引価格の推移をみると、2017年より一旦落ち着いていましたが、コロナ中の金融緩和政策などの影響も受け、取引件数が増加し、緩やかな上昇が続いています。
ブルックリン 不動産賃貸市場
マンハッタンの南に位置し、ブルックリン橋を渡ったところにあるブルックリンエリア。お洒落なカフェやアンティークショップが多く、マンハッタンより割安で、お洒落な街に住めるという事で人気が上がったエリアです。
その中でも、「DUMBO(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)」には築浅の物件もあり、特にブルックリン橋とマンハッタンを一望できる物件が人気となっています。
2020年3月、コロナでロックダウンが起こった際には、ニューヨーク全体の家賃が下がった影響もあり、ブルックリンの賃貸中間価格も急落していましたが、マンハッタンやクイーンズと比較すると少し遅れながらも、2022年の1月から上昇し、コロナ以前の最高値を更新しました。
その後は、コロナ以前より少し高い一定の価格帯で推移しています。
アメリカでは、通年を通して賃貸需要が最も高くなるのは6月~8月となり、この時期が家賃が最も高くなります。
ニューヨーク不動産取引の流れ
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ご購入手続き
Step1.不動産会社、税理士に相談(購入目的、資金計画、市場性、税務面)
ニューヨークでは、居住者、非居住者、また購入目的によって、税制や住宅ローンの条件が異なります。そのため、事前に使用用途(自己用・投資用)、資金計画(ご予算・ローン利用の有無)、市場性、税務上のメリット・デメリット等を確認し、購入する際の予算や希望条件、所有名義(個人、夫婦、複数の共同名義、法人名義など)の検討し、購入物件の方向性を決めていきます。
Step2.資金調達
ニューヨークで不動産購入を検討する場合、居住者、非居住者によって、ローンを組む際の手続きや条件が異なります。
居住者(SSN保有者)の場合は、アメリカの銀行でローンを組んで、融資を受けることが可能です。住宅ローンを申込む際には、クレジットヒストリーと呼ばれる「個人の支払履歴」が必要となります。このクレジットヒストリーの情報を基に、クレジットスコアと呼ばれる「個人信用度」が数値化され、頭金や金利などのローン条件が設定されます。また住宅ローンを組む場合は、事前に銀行から発行される融資の事前承認書(Pre-Approval Letter)を入手しておくと、ご予算の目安ができ、物件を決めた際に作成するオファーのお手続きがスムーズになります。
非居住者(日本在住)の場合、アメリカの銀行で通常の融資が難しく、投資用の融資で金利が高く設定されるため、日本側で資金のご準備をされる方が多く、下記のような方法があります。- 現金(残高証明書:英語表記で発行してもらう必要があります)
- 日本にある資産に対し、日本の金融機関を使って、担保を設定し融資を受ける(融資予定通知書:発行後に英訳が必要となります)
- アメリカにある購入予定の物件に対し、もしくはその他の資産に対し、担保を設定し日本の金融機関より融資を受ける(現在、ハワイ、カリフォルニア州の融資が可能な銀行があり、今後他の州に関しても広がる可能性があります)
- アメリカの銀行が購入予定の物件に対し、担保を設定し融資を受ける(一部の限られた銀行が対応可能です)
Step3.不動産会社(エージェント)の選定
売主・買主は、それぞれ不動産会社(エージェント)に依頼し、少しでも良い条件で売却、購入しようとします。そのため、物件の購入にはその土地、建物、市場性を理解し、不動産取引の経験、知識、また交渉力のある不動産会社(エージェント)を選ぶ事が重要となります。
また、購入時に不動産会社(エージェント)を依頼する場合でも、仲介手数料(ブローカー費用)は、売主が支払う仲介手数料を売主側と買主側の不動産会社(エージェント)で分ける為、特別なサービス内容を買主側の不動産会社(エージェント)と別途契約を結ばない限り、買主が仲介手数料(ブローカー費用)を負担することはありません。Step4. 物件の選定
ニューヨークでは、売主から依頼された不動産会社(エージェント)が、売却物件情報を不動産情報システム(MLS)に登録するのが一般的です。これは、不動産会社(エージェント)の専用サイトとなっており買主側の不動産会社(エージェント)は顧客の要望(ご予算、エリア、間取り、その他ポイント等)に合った物件をこういった情報サイトから、選定して、顧客と一緒に内覧できる日程を調整します。
非居住者の場合は、スカイプや動画などで内覧することも可能です。最近では、一般サイト(Street Easy, Zillow等)を活用して、物件の検索、周辺の価格帯や雰囲気を確認し、直接問合せをする方も増えています。Step5. 申込み(オファー)・仮契約
ご希望条件に合う物件が見つかったら、担当のエージェントを通して申込み(オファー)を出します。
申込み(オファー)には、有効期限、希望購入価格、決済(クロージングの日程、ローンの有無、その他希望条件などを記載して、500~1000ドルの小切手と一緒に、売主側の不動産会社(エージェント)に送付します。その際の追加書類として、住宅ローンを組む場合は融資の事前承認書(Pre Approval Letter)も一緒に提出します。
海外からの購入の場合は、Step2に記載した書類(残高証明書、融資予定通知書等)と、ご契約に必要な初期費用を不動産会社の指定口座に海外送金します。物件によっては、複数の申込み(オファー)が入ることもあり、物件売主は売主側の不動産会社(エージェント)と一緒に内容を比較検討し、より良い条件のものを選択します。また、申込み(オファー)に対して売主から「カウンターオファー」と呼ばれる書式で、条件交渉してくる場合もあります。そして、最終的に買主、売主の双方が合意し署名した時点で、仮契約が成立します。Step6. 調査・確認・交渉
仮契約成立後、買主は申込み(オファー)に記載した期限内に物件調査(Home Inspection)を行います。ニューヨーク州にて資格を有する物件調査士(Home Inspector)という専門業者に物件調査の依頼をします。業者は物件の安全性、屋根(屋上)、屋根裏、雨漏り、水漏れ、電気系配線、家電設備、地盤、白アリなど調査し劣化の具合、修理、メンテナンスの必要性などを報告書にまとめます。さらに追加費用を支払い、さらなる調査(ラドン、鉛塗料の有無、カビの確認など)を行う事もあります。
この調査内容がまとまった報告書を基に、物件の状態によっては、買主は物件を購入する際の条件(価格の減額、修理依頼など)を売主と交渉します。この交渉で、お互いに同意に至らない場合はキャンセルすることもあります。Step7. 契約締結・手付金(Deposit)の支払い
物件調査が完了し、売主と買主の双方が契約内容に同意すると、次に弁護士を介した売買契約に移ります。
通常、売主も買主もお互いの弁護士を通して契約の手続きを進めて行きます。
買主側の弁護士は売買契約書に、不利な内容の記載がないか、権利確認(所有者、抵当等)、未払いの有無(税金、修理費、管理費等)、コンドミニアムの場合は、建物全体の運営・財務状況の確認を行います。
双方の弁護士が確認した売買契約書(Purchase&Sales Agreement)に売主と買主が署名し、売主が手付金(Deposit:購入価格の10%)を受け取った時点で、売買契約が成立します。
売買契約成立後の解約には、契約解除によって生じた損害として手付金(Deposit)を失う可能性があります。Step8. 資金調達(住宅ローン手配・海外送金準備など)
住宅ローン(Mortgage)を組む場合、売買契約が成立する時期を想定しながら、申請手続きを進めます。
銀行などの金融機関と直接ローン申請を行う方法と、住宅ローン専門業者(モーゲージブローカー)を通して、金利や期間、その他の諸条件を比較しながら、申請する方法があります。
ローン申請後、銀行側は不動産鑑定士(Appraiser)を使って、物件の適正価格を鑑定し、銀行が最終的な判断のもと融資可能であれば、融資許可書(Approval Letter)が発行され、そして最終的なローンを約束する融資証明書(Commitment Letter)が発行されます。
尚、ローンの申請から融資証明書(Commitment Letter)が下りるまで30~45日の期間を要するのが一般的です。Step9. 物件最終確認(Final Walk Through)・保険契約
集合住宅の場合、建物を管理する管理組合へ入居認可の為、売買契約書のコピー、買主の申し込み関係書類を提出し、入居認可を得ます。
この手続きには、大体2週間から1ヶ月かかります。ほとんどの場合は認可されますが、書類不十分で差し戻される場合もよくありますので、間違いが無いように確認をしっかりと行う必要があります。また、買主は決済(クロージング)される前日、または直前に物件の物件最終確認(Final Walk Through)を行います。
これは、物件状態の最終確認となり、依頼していた修理が完了しているか、契約時に無かった問題が発生していないかを確認することが目的となります。この時に、契約時と状況が異なっている場合は、引渡し前までに修理を行うなど、追加交渉が行われます。
また、このタイミングで、保険の加入手続きを行うことをお勧めします。Step10. 決済(クロージング)
不動産取引が完了することを決済(クロージング)と呼びます。
一般的には売主・買主、双方の弁護士や不動産エージェント、モーゲージ会社の弁護士などが決済(クロージング)に立ち会います。
購入金額残金や必要経費(固定資産税の日割り費用、所有者移転費用、登録手続き料、事務手続き、保険、弁護士費用)の支払い手続きを行います。最終支払残高は決済(クロージング) 予定日の数日前に発行される清算確認書(HUD Statement)にて確認することができます。この支払手続きと同時に、売主から物件譲渡証書(Deed)と鍵を受け取り、決済(クロージング)手続き完了となります。※非居住者で、決済(クロージング)に立ち会えない場合、事前に公証人の前で各種書類に署名し決済(クロージング)に間に合うように郵送し手続きを行うことが可能です。
また、委任状(Power of Attorney)を作成し、一定事項の手続きや処理の権限を、弁護士など第三者に委任し決済(クロージング)手続きを行うことも可能です。
委任状には公証(Notarize)手続きが必要となります。日本ではアメリカ大使館もしくは、公証人役場で対応できます。アメリカ国内では公証人(Notary Public)に依頼すれば、場所はどこでも手続きができます。海外から送金する際には、一週間ほど早めに清算確認書(HUD Statement)を発行してもらい、事前に指定口座に振込み手続きを行います。
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ご売却手続き
Step1. 不動産会社、税理士に相談(市場性、税務面等)
物件の売却にはその土地、建物、市場性を理解し、不動産取引の経験、知識、また交渉力が重要となるため、信頼できる不動産会社(エージェント)を探す事から始めます。不動産会社(エージェント)を探す際には、不動産の市場性や、物件の査定を提示してもらい、安心して任せられるかを判断します。不動産会社(エージェント)を決めたら、物件査定書を基に販売戦略等を決め、具体的な売却金額、期間、仲介手数料等を明記した媒介契約書(Listing Agreement)を締結します。
※賃貸物件として貸し出している場合は、賃借人を退去させて売却を進めるか、賃貸したままで売却を進めるかを検討する必要があります。Step2. 事前準備・物件登録
媒介契約締結後、不動産会社(エージェント)は、不動産情報サイト(MLS)に物件登録し、物件情報を公開します。このサイトで公開された情報(写真、間取り、面積、価格、設備等)を基に、買主が物件を選定する為、物件情報を公開する前に、物件の魅力を最大限引き出す準備を行います。事前準備例として、リフォーム、ペイント、ガーデニングや、ステージングと呼ばれる(レンタル家具)を設置するなどがあります。
またこの段階で、買主に開示する物件情報(物件の設備、修繕履歴、過去のトラブル等)を事前にとりまとめておくと、売却手続きがスムーズに行えます。Step3. 物件売却活動
売主側の不動産会社(エージェント)は、不動産情報システム(MLS)を活用しながら、売却活動を行なっていきます。これは、不動産会社(エージェント)専門のサイトで、エリアに登録している不動産会社(エージェント)同士で情報を共有する役割を持っており、この情報を基に、買主は顧客に対して情報を提供します。また、最近は一般サイト(Street Easy, Zillow等)から直接物件を検索する人も増えている為、こういった一般サイトにも情報を公開したり、SNSを活用したり、オープンハウスを行うといった一般向けに対する販売活動を行います。
投資物件については、上記に加え、不動産会社のネットワーク(投資家・金融機関等)を活用して、売却活動を行います。Step4. 申込み(オファー)
購入希望者は、買主側の不動産会社(エージェント)を介して、諸条件の確認を行い、申込み(オファー)と一緒に$500-$1000の小切手を送付してきます。申込み(オファー)を売主側の不動産会社(エージェント)が受け取ると連絡があるので、一緒に、オファー内容(希望購入価格、諸条件等)を検討し、より良い条件のものを選択します。そして、売主側の不動産会社(エージェーント)を介して、承認、拒否、もしくは条件交渉のいずれかの回答を書面にて提示します。
※通常申込み(オファー)の中に解除条件(Contingency)が含まれる事が多いです。これは、解除条件付申込みということで、定められた期間内に調査や手続きを進め、対象の条件(物件調査、ローン、鉛ペイント、ラドン等)で、トラブルがあった場合、白紙解除が可能という内容となっています。その為、複数の申込み(オファー)がある場合、こういった点も含みながら、検討する必要があります。
Step5. 調査・確認・交渉
仮契約成立後、買主は申込み(オファー)に記載した期限内に物件調査(Home Inspection)を行います。ニューヨーク州にて資格を有する物件調査士(Home Inspector)という専門業者に物件調査の依頼をします。業者は物件の安全性、屋根(屋上)、屋根裏、雨漏り、水漏れ、電気系配線、家電設備、地盤、白アリなど調査し劣化の具合、修理、メンテナンスの必要性などを報告書にまとめます。さらに追加費用を支払い、さらなる調査(ラドン、鉛塗料の有無、カビの確認など)を行う事もあります。
この調査内容がまとまった報告書を基に、物件の状態によっては、買主は物件を購入する際の条件(価格の減額、修理依頼など)を売主と交渉します。この交渉で、お互いに同意に至らない場合はキャンセルすることもあります。Step6. 契約締結・手付金(Deposit)の支払い
物件調査が完了し、売主と買主の双方が契約内容に同意すると、次に弁護士を介した売買契約に移ります。
通常、売主も買主もお互いの弁護士を通して契約の手続きを進めて行きます。
買主側の弁護士は売買契約書に、不利な内容の記載がないか、権利確認(所有者、抵当等)、未払いの有無(税金、修理費、管理費等)、コンドミニアムの場合は、建物全体の運営・財務状況の確認を行います。
双方の弁護士が確認した売買契約書(Purchase&Sales Agreement)に売主と買主が署名し、売主が手付金(Deposit:購入価格の10%)を受け取った時点で、売買契約が成立します。
売買契約成立後の解約には、手付金(Deposit:購入価格の10%)を返却し、契約解除によって生じた損害金を支払う可能性があります。Step7.引渡し準備・最終確認(Final Walk Through)・保険解約手続き
売主側に住宅ローンの返済が残っている場合、返済先の銀行などに物件売却予定のスケジュールなど伝え、手続きを行います。また、売却物件がコンドミニアムの場合、買主の入居認可の為、管理組合へ売買契約書のコピー、買主の申し込み関係書類を建物の管理組合に提出し、入居認可を得ます。
この手続きには、大体2週間から1ヶ月かかります。ほとんどの場合は認可されますが、書類不十分で差し戻される場合もよくありますので、間違いが無いように確認をしっかりと行う必要があります。また、買主は決済(クロージング)される前日、または直前に物件最終確認(Final Walk Through)を行います。
この日までに、売主は売買契約書内で記載された修理作業等は事前に完了させておく必要があります。また、少しスケジュールの余裕を持って保険解約の通知を出しておくと手続きがスムーズになります。Step8.決済(クロージング)
不動産取引が完了することを決済(クロージング)と呼びます。
一般的には売主・買主、双方の弁護士や不動産エージェント、モーゲージ会社の弁護士などが決済(クロージング)に立ち会います。買主は購入金額残金や必要経費(固定資産税の日割り費用、所有者移転費用、登録手続き料、事務手続き、保険、弁護士費用)の支払い手続きを行います。
最終支払残高は決済(クロージング) 予定日の数日前に発行される清算確認書(HUD Statement)にて確認することができます。この支払手続きと同時に、売主から物件譲渡証書(Deed)と鍵を受け取り、決済(クロージング)手続き完了となります。
このとき、身分証明書(パスポート等)が必要になります。その後、住宅ローンがある場合は、売却金から残金、諸経費を差し引かれた最終金額が売主の銀行口座に入金されて取引完了となります。※非居住者で、決済(クロージング)に立ち会えない場合、事前に公証人の前で各種書類に署名し決済(クロージング)に間に合うように郵送し手続きを行うことが可能です。
また、委任状(Power of Attorney)を作成し、一定事項の手続きや処理の権限を、弁護士など第三者に委任し決済(クロージング)手続きを行うことも可能です。
委任状には公証(Notarize)手続きが必要となります。日本ではアメリカ大使館もしくは、公証人役場で対応できます。アメリカ国内では公証人(Notary Public)に依頼すれば、場所はどこでも手続きができます。
諸費用
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購入時にかかる諸費用
内容 英語表記 目安価格(単位:$) 追記 弁護士費用 Attorney Fees 2,000~4,000 購入金額によって価格は変動 物件調査費用 Inspection Fee 500~1,000 調査内容によって価格は変動 タイトル会社 Title Company Fee 500~1,000 権利関係など不動産登記情報を調査・確認する会社
購入金額によって価格は変動移転登記費用 Transfer Deed 100~500 エリアによって異なる 移転登記税 Transfer Tax 市に50万ドル未満の場合は1%
50万ドル以上の場合は1.425%
州に物件価格の0.4%中古物件に関しては、売主負担、新築物件に関しては、買主負担 マンション税 Mansion Tax 物件価格の1~3.9% $1,000,000以上の物件購入の場合のみ(購入金額によって価格は変動) 管理組合許可申請費用 Coop or Condo Application Fee 500 コンドミニアムやコープを購入する際に、管理組合からの許可が必要 火災・賠償保険 Homeowners Insurance 500~2,000 火災・賠償責任のリスクに対する備え ホームワランティ保険 Home Owners Warranty 500~800 ホームワランティ保険は家の日常的な故障をカバーする保険
例)ガレージのドア、ヒーター、トイレのタンク、食器洗浄機等下記はローンを組む場合かかる費用 ローン費用 Origination Charges 2,000~3,000 抵当権設定等ローン手続きに関する費用
(金融機関によって異なる)物件鑑定費用 Appraisal Fee 750~1000 借入を行う銀行等が不動産の価値などを評価する費用 クレジットリポート Credit Report Fee 20~40 個人の支払履歴・個人信用度(クレジットリポート)を確認する費用 タイトル保険(金融機関) Lender Title Insurance ローン金額もしくは、
購入金額の0.25%所有権等、登記情報に不備があった場合に対応するための保険
タイトル保険会社によるタイトル保険(買主) Buyer Title Insurance ローン金額もしくは、
購入金額の0.375%所有権等、登記情報に不備があった場合に対応するための保険
タイトル保険会社によるローン登録税 Mortgage Recording Tax50万ドル以下の物件は1.8%
50万ドル以上の物件は1.925%コンドミニアム・戸建(1-3世帯)以外を購入する場合には、2.8% 購入後にかかる費用
内容 英語表記 追記 家具 Furniture 賃貸する際にも必要な場合あり 改装・修繕費用 Repair /Renovation 必要に応じて 引越し費用 Moving Cost 内容によって異なる 固定資産税 Property Taxes 物件評価額の1.0~2.0% (エリアによって異なる) 物件管理・組合費 Common Charge コンドミニアム・タウンハウスの場合 所得税 Income Tax 賃貸した際の利益に対する申告必要 -
売却時にかかる諸費用
内容 英語表記 目安価格(単位:$) 追記 弁護士費用 Attorney Fees 2,000~4,000 購入金額によって価格は変動 仲介手数料 Broker commissions 購入金額の5~6% 調査内容によって価格は変動 所有権調査 Title examination 500~1,000 調査会社によって価格は変動 譲渡税 NY Transfer Tax 市に50万ドル未満の場合は1%
50万ドル以上の場合は1.425%
州に物件価格の0.4%中古物件に関しては、売主負担新築物件に関しては、買主負担 融資(早期)解約金 Mortgage Payoff and Prepayment Penalty - 銀行や融資条件によって異なる
注意点
物件購入時
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米国籍、永住権保持者、労働許可を得た外国人の場合社会保障番号となるソーシャルセキュリティー番号(SSN)を取得しますが、非居住者は取得できません。ただし、アメリカで確定申告(Tax Return)が必要となりますので、ソーシャルセキュリティー番号(SSN)の代わりに個人納税者番号(ITIN)を取得する必要があります。
個人納税者番号(ITIN)はアメリカの税務申告を行う税理士がサポートしてくれますが、その際にアメリカ大使館で、パスポートコピーの認証(Certified Photocopy of Passport)が必要となりますので、物件購入の際にお手続きすることをお勧めします。 - ニューヨークでは新築物件の中に、「421a Tax Abatement」と称される固定資産税が一定期間(10年~20年程)免除・減額されるコンドミニアムがあります。
- 買主は決済(クロージング)直前に物件の最終点検を行う事をお勧めします。決済(クロージング)が終わって実際に入居してから修理が必要なことが発覚しても、通常は売主に責任はなく、買主の自己責任という扱いになります。不動産に虚偽の表示があった場合は例外ですが、契約完了した後から売主の責任を追及することは困難です。
- 管理組合への入居認可の為、売買契約書のコピー、買主の申し込み関係書類をビルの管理組合に提出し、入居認可を得ます。ほとんどの場合は認可されますが、非常にまれに、購入価格が市場価格よりはるかに低い場合に管理組合側が” Right Of First Refusal ”の権利を行使し、許可をおろさない場合があります。管理組合が同じ条件で物件を買い上げる権利を認めたもので、この権利を行使する事があります。
物件売却時
- アメリカ非居住者の場合、Foreign Investment in Real Property Tax Act(FIRPTA)と呼ばれる税制が適用。売主は売却額に対して15%の源泉税が徴収されます。これは米国非居住者が米国不動産を売却した際に確定申告をせず税金を納めないということを避けるために定められているものです。確定申告にて算出された税金額と既に徴収されている15%の金額を比較し、徴収金額が足りない場合は追加で支払い、多く徴収されている場合は還付を受けることになります。
- 投資物件に限り買換え資産の特例(1031 Exchange)と呼ばれる税法があり、この方法を活用すると、売却で生じた譲渡所得税(キャピタルゲイン タックス)に対するアメリカに収める税金を先送りにすることが可能です。
よくあるご質問 / FAQ
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